学習障害について

「学習障害」と言う言葉を耳にすることはありませんか?
最近よく聞きますが、実はずっと昔からその障害に苦しんでいる方がいます。
日本はまだまだ理解されていない、学習障害についてもっと理解を深めましょう。


学習障害=LDとは?

「学習障害」と判断される人がいるのをご存じでしょうか?
通称、「LD」と呼ばれています。
LDとは英語のLearning Disabilitiesの頭を取ったものです。
日本語で「学習障害」と呼ぶ場合の「障害」の言葉が重たいものであるので、
LDと呼ばれることのほうが多くなりました。

文部科学省の定義では、「基本的には全般的な知的発達に遅れはないが、
聞く、話す、読む、書く、計算するまたは推論する能力のうち、
特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を指すものである。
学習障害はその原因として、中枢神経系になんらかの機能障害があると推定されるが、
視覚障害・聴覚障害・知的障害・情緒障害などの障害や環境的な要因が直接の原因と
なるものではない」とされています。

つまり、知的障害に該当はしないのだが、1つかそれ以上の特定分野において、
困難を伴う、ということです。

例えば、文字を習ったとしても理解できず、読むことができない(読み)。
読むことができても、文字を書くことができない。(書き)
簡単な計算であっても解けず、意味が理解できない。(算数)
他人の話すことを聞くことができない。(聞く)
聞くことができても、うまく話すことができない。(話す)
などの言語能力や算数能力の困難。
また他にも、社会性の困難、運動の困難、注意集中の困難など、
LDの症状は多岐に及びます。

LDは、現代の医学でははっきりと解明されておりません。
一部の症状を除いて、医学的治療法もありません。

だからこそ、周りが理解し、ひとりひとりの症状に合った方法で
導いてあげることが必要なのです!
医学的な治療法がないからと言って、決して悲観することはありません。
医学的ではないけれど、対処できる方法や解決策、というのがきっと どこかにあるはずです。

まずは、他人と違う部分があるということを理解し、そのままを受け入れ、
そこから第一歩が始まるのです。
何よりもまず、「周囲の人間の正しい理解」
これに尽きるのではないか、と思います。

学習障害について学ぶ

学習障害について学ぶカテゴリー項目一覧

01.学習障害とは

学習障害の症例 ディスレクシアとは? 学習障害だった有名人 学習障害の診断基準 LDとADHDの違いとは?

02.学習障害のさまざまな症状

学習障害と左利き 乳児期の学習障害 幼児期の学習障害 学童期の学習障害 思春期、成人期の学習障害

03.学習障害を支える

家庭での対応 周りの親や担任への対応 担任としての対応 具体的な教え方 ソーシャルスキルトレーニングとは?

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学習障害について学ぶのおすすめ!

学習障害の症例

一概に「学習障害(LD)」と言っても、その症状は多岐に渡り、分類も困難です。
同じ症状でも人によって現れ方が違うことがあります。

もし、医者で学習障害(LD)と診断されたとしても、親は必ずこう思うでしょう。
「この子は本当に学習障害なのだろうか?」

いろいろな症例があります。
その具体的なものをご紹介したいと思います。

 ・落ち着きがなく、じっと座っていることができない
 ・ぼんやりしていることが多い
 ・授業中、集中して授業を聞くことができない
 ・特定のものにかなりこだわり、融通がきかない
 ・整理整頓ができない
 ・かんしゃくを起こす
 ・ひとりごとを言う
 ・乱暴な態度を取る
 ・集団行動を拒否する
 ・左右が理解できない
 ・地図が読めない
 ・日時や場所の概念が理解できない
 ・鉛筆が持てない
 ・ボール蹴りがうまくできない
 ・よくつまずいたりする

また言語面や算数などについてこのような症状がみられる場合もあります。

 ・言語が不明瞭
 ・単語が覚えられない
 ・文章を文の順番通りに読むことができない
 ・文字が鏡文字になってしまう
 ・計算ができない
 ・記号の使い方がわからない
 ・数の概念が理解できない

言語や算数が苦手な子供は、学習障害の中でも「ディスレクシア(ディスレキシアとも言う。)」に分類されます。
日本では、「難読症」「失読症」または「識字困難」とも言われています。
LDの中では最も研究が進んでいるとされています。

その他の症状のなかで、併発したもの、あるいは二次的障害もあります。
 ・極低出生体重児
 ・てんかん
 ・パニック
 ・吃音
 ・おもらし
 ・不登校
 ・いじめ
 ・自傷行為
 ・ひきこもり
 ・対人恐怖症
 ・家庭内暴力

周り人からのの正しい理解が得られなかったがために、いじめに遭い、自分を責め、最悪の場合自殺行為をしてしまう、ということにもなりかねません。

上記のものはほんの一部の症例です。
ただし、個人差があり、正確に分類できるようなものではないので、正式な専門家のところで診断を受けた上で判断するようにお願いします。


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学習障害の中で、一番研究の進んでいるのが、「ディスレクシア(ディスレキシアとも言う。)」と呼ばれるものです。
ディスレクシアとは、学習障害の中でも、特に「読み、書き」などの言語に困難を伴うものです。
欧米ではかなり前から研究されていましたが、日本ではまだまだ世間に認知されてはいません。

ディスレクシアの症状は、文字を混同してしまったり、(bとdや、pとb、ぬとね、いとり、など。)単語を逆から読んでしまったり、文章をすらすら読めず、文字を書いても鏡文字(鏡に写したように、左右逆向きの字を書いてしまう。)などということがたびたび起きます。
また、綴りを覚えることができなかったり、すぐに忘れてしまったり、話すのも大変ゆっくりであったり、理解が不十分だったりというような症状があります。

では、その原因は何でしょう?
原因は、実はまだはっきりと解明されているわけではないのです。
特に日本では、研究はまだまだこれから、といったところでしょう。

アメリカの研究では、ディスレクシアの人の脳は、少し違った使われ方をしているのではないか?と言われています。
遺伝も関係しているのかもしれないそうです。
ディスレクシアの両親の場合、ディスレクシアの子供が生まれる可能性が他の人より高くなるそうです。
遺伝学からも研究が進んでいる最中です。

まだまだ周りからの理解がされにくく、苦しい思いをしている親子なども多いようです。
しかし、ディスレクシアだからと言って、劣等感を持つこともなく、自分はできないんだ、と自尊心を失う必要はありません。

ディスレクシアと判断された多くの有名人がいますが、みなさんそれぞれの分野で大変活躍されています。
大学まで出ている方も多くいらっしゃいます。
そのハンデがあるからこそ、逆に特定分野の能力が伸びた、ということもあるのかもしれません。
政治家、芸術家や工学専門家、あるいは俳優、女優、画家など、数々の有名人の中に、ディスレクシアだという方がいらっしゃいます。

ただし、大事なことは、早期に発見し、その対処をしていくということ。
その症状に合った教育をすることが一番重要です。
また、それと同時に心のケアもしていかなければなりません。

学習障害(LD)だったと言われる有名人は、たくさん存在します。

例えば、アインシュタイン。失語症で、言葉がうまくしゃべれず、暗記が苦手だったそうです。
レオナルド・ダ・ヴィンチは、鏡文字を書いたとか...。
エジソンは、母親に知的障害と思われて、医者に連れていかれたそうです。
アンデルセンも、その手書き原稿からそう判断できるんだそうです。
アガサ・クリスティーもそうだったとか。
俳優のウーピー・ゴールドバークも失語症でした。
政治家でもいます。
イギリスのチャーチルや、ジョージ・ワシントン、ジョン・F・ケネディなど。

その他さまざまな人が、学習障害だった、と言われていますが、それは定かではありません。
ただ、残されたもので、そうであったのではないか?という推測にすぎません。

自身が学習障害であったことを告白した最も有名な人は、俳優のトム・クルーズ。
彼は学校時代、bとd、pとqの区別がつかず、本もすらすらと読めなかったそうです。
それによりいじめに遭ったこともあったたか。

しかし彼は、自分の得意だったスポーツにおいて、果敢に何でも挑戦したそうです。
集中力を高める訓練もしたとか。

そして俳優になってからは、セリフを覚えることに苦労し、そういった困難も録音しながら覚えるという方法で乗り越えてきました。
現在は、学習障害についての啓発活動も積極的に行っています。
小泉元首相と対談し、そのことについての本を手渡しました。

学習障害があったとしても、今揚げた有名人のように社会的に成功をおさめた人はたくさんいます。
ある部分のマイナス面があるからこそ、違った部分のプラス面を伸ばそうとしたり、そこの能力を高めたりすることができたのだと思います。

まさに、「障害を乗り越えた」人々です。
それは彼らにとって障害ではなく、その成り立ちの上での必要不可欠な要素だったのかもしれません。
LDがなければ、彼らはその能力を発揮していたかどうか、定かではありません。
むしろそれらがプラスの要因になったと考えられるのではないでしょうか。

学習障害の診断とはどのようにされるのでしょう?
また、その診断基準はどのようなものでしょう?

学習障害の診断は、専門家の元で行われます。
まずは家庭や学校での情報を集めます。
病歴や、その生育過程、行動などをできるだけ詳しく伝えることが好ましいでしょう。

内容について、学習障害の疑いが見られれば、知能検査を行います。
知能検査は、WISCがよく使われます。

そこで学習障害が推定された時は、以下の検査を行います。
PRS
K-ABC 心理教育アセスメントバッテリー
ITPA 言語学習能力診断検査

PRSとは、行動や学習を調べるスクリーニングテストです。
K-ABC 心理教育アセスメントバッテリーとは、子供への課題を与え、その解決法を調べる検査です。
ITPA 言語学習能力診断検査とは、子供が課題を他の人にどう伝えるのかを調べる検査で、コミュニケーションをどのようにとるのかを調べるます。

それらの検査をすることにより、学習障害である、と判断されます。

これらの検査は、学習障害である子を排除するためにあるものではありません。
学習障害ということを知ることにより、親や先生をはじめ、周りの人々がその対応を考える原点にもなるのです。

「なぜあなたはできないの?」と子供のことを責め続けるのではなく、学習障害であるからなのだ、と理解し、受け入れることから始まります。
どうしたらその子にとってうまくできるのかを導き出したり、一緒に考えたりするように、まず周りが変わる必要がある、ということを認識させる手立てでもあります。
検査の数値で示されることにより、親は「そんなはずは・・・。」と受け入れを拒むのではなく受け入れる状況を作り出すのです。
これらは必ず専門家の手によって行われなければなりません。

学習障害(LD)と混同されやすいものに、ADHDがあります。
英語で、Attention Deficit/Hyperactivity Disorderの略です。
注意欠陥多動性障害のことです

ADHDは、次の3つの症状がある発達障害のことです。
学校での生活態度において以下のようなことがあります。
 1、不注意 物事に集中することができない 宿題を忘れたり、学習道具をなくしたりする
 2、多動性 落ち着きがない 席についていることができず、教室を歩きまわる
 3、衝動性 突発的な行動を取る 順番待ちができない
これらの現れ方には個人差があります。

学習障害(LD)と、注意欠陥多動性障害(ADHD)との違いは何でしょうか?
まずLDは、学業上の問題がある、ということです。
一方ADHDは、行動上の問題であります。

LDは、学業上において定義されます。
学習障害専門家、教育療法士などが調べることが多く、知能テストなどで判断されます。
ADHDは、学校あるいは家庭などのふるまいによって定義されます。
それは、精神科医や、臨床心理学者などによって判断されることが多いです。

ただ、はっきりとその違いを区別することは大変難しいのです。
というのも、ADHDはしばしばLDを併発していることがあるからです。

ADHDの一番の特徴、不注意、多動性、衝動性がみられるかどうかで、その判断がなされることが多いようです。
同じような症状が現れることもよくあるのですが、その対処法は違って来る場合があるので、どちらかを素人が判断せず、きちんと専門家に診断してもらいましょう。